特集

季節の野菜通信 vol.5

季節の食材をより楽しむため、郡山ビューホテルの松岡シェフが連載する「季節の野菜通信」。 今月は年末の楽しいイベントについてお届けします!

師走を元気に乗りきろう

今年もあとわずかとなり、師走を迎えるこの時期は楽しいイベント事がたくさんあるのではないでしょうか。

つい食べ過ぎたり、飲み過ぎたりして休息不足などのムリをしがちになります。田畑の作業もひと段落し、大掃除をして部屋をスッキリしたいのに自分の体に疲れが溜まっていませんか。師走を元気に乗り切り、気持ちよく新年を迎えるためにも、今月はいつも以上に自分の体を労わる生活を心掛けてください。今回は今年最後の楽しいイベントについてお話しさせていただきます。

12月と言えば「クリスマス」ですね。ひと言で「クリスマスって何の日ですか?」と言われてすぐに答えられる人は意外と少ないのではないでしょか。クリスマス(Christmas)は、イエス・キリストの降誕を祝う祭りですね。そこで、日本のクリスマスと海外のクリスマスの定番と言える料理を紹介します。

日本のクリスマスと言えば、綺麗にデコレーションした生ケーキとフライドチキンやローストチキンが欠かせないですね。また、どちらかと言うと家族よりも恋人と過ごす方が多いのではないでしょうか。子供へのプレゼントは一つで、25日を過ぎるとツリーをすぐに片付けてしまいます。年越しやお正月があるから仕方ないのですが、少し寂しい気がしませんか。ちなみに、日本でおなじみのサンタクロースを飾ったデコレーションケーキ、実は日本独自のものなのです。1922年に不二家のペコちゃんが初めて販売したのが始まりと言われています。

海外のクリスマスの過ごし方は、恋人と過ごすクリスマスというよりは「家族で大切に過ごすクリスマス」が定番のようです。そしてここからすでに「食育」をしっかりとしています。家族や親戚で食卓を囲みパーティーをするのは素晴らしい事ですよね。

アメリカでは、ローストビーフ・ハム・ターキー(七面鶏)や羊肉を食べたり、ケーキは生ケーキでは無くバターケーキやクッキーを焼いたり、子供へのプレゼントは数多あり、とても華やかな様子です。

ヨーロッパのクリスマスは、24日~25日にかけて家族で楽しみます。料理はターキー(七面鶏)や羊肉をメインとして、魚介類料理も食べます。ケーキはシンプルで、焼き菓子も食べます。もっとも有名なのが、パネットーネやシュトーレン、ブッシュ・ド・ノエルです。イルミネーションはオレンジ系のあたたかな雰囲気が特徴ですね。

日本でも海外でもクリスマスはケーキ・クッキー・料理を食べながら家族や恋人を過ごす特別な日なのですが、私は職業的にこれらの料理に携わるため、この期間は朝から晩までケーキや料理を作り続けて、別な意味の「クルシミマス」です。どうか皆さんは家族そろって、楽しいクリスマスをお過ごしください。

今月の簡単レシピは、「冬野菜で作るクリスマスツリー」と「ホットケーキで作るクリスマスケーキ」を紹介させていただきます。今はハウス栽培で一年中豊富な種類の野菜やフルーツが手に入りますが、とはいえ一番味がよく、栄養価の高い旬の野菜、水分を多く含んだ野菜が寒さや霜で凍らないように、葉の糖分を増やして身を守るため甘くなりますので、是非子供たちに食べさせてください。そして「食育」の一環として子供と一緒に楽しみながらツリーやケーキ作りをしてください。
松岡 正 松岡 正

郡山ビューホテル株式会社料理長 群馬県出身、1987年より前橋東急インホテルに勤務。1990年からフランスで1年間修行をつみ、1991年高崎ビューホテルへ勤務。2000年から郡山ビューホテルへ勤務し、2006年には現職に就任。フランス料理会の名誉とされる日本エスコフィエ協会ディシプルを受賞し、現在に至る。