特集

食養生コラム 第11回

お口とからだ、イキイキと! きらら歯科の外島先生が連載する、食養生コラム。

お口のはたらき -その2-

食べることは、歯でかみ砕くだけの単純作業ではないことを前回お話しました。専門用語で「摂食機能(せっしょくきのう)」と呼ばれるこのようなおロのはたらきはどのようにして身につくのでしょうか。

赤ちゃんは生まれてくると母乳を飲もうとします。これはそのように考えている訳ではなく、原始反射とよばれる反射運動によるものです。物を探そうとする探索反射、お乳を吸おうとする吸啜(きゅうてつ)反射、咬もうとする咬(こう)反射などがあります。生後2ヶ月くらいまでは、このような反射と脳の中の視床下部にある「摂食中枢」の働きで母乳を飲みます。

生後3~4ヶ月ごろになると、原始反射ではなく、自分の意思で飲むことを覚えていきます。この時期には指しゃぶりやおもちゃ舐めなどの行動も出てきます。周囲の人の食べる姿を見て食べたそうに口を動かしたりします。首がすわるのもこの時期で、お口の周りや首筋などの筋肉も発達します。

生後5~6ヶ月くらいになると離乳食の出番です。最初はやわらかく消化のよいものから、少しずつ固いものに変えていきます。このような練習を1歳~1歳半くらいまで続けることで、あの複雑なお口の機能を獲得する訳です。(次回に続きます)
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