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食養生コラム 第10回

お口とからだ、イキイキと! きらら歯科の外島先生が連載する、食養生コラム。

食べ物のこと -その4-

稲作が盛んになったわが国では、米を権力の象徴と考えるようになります。石高でパワーが測れるわけです。これは天平の昔から続き、貨幣経済が発達した江戸時代でさえ大名のランクに使われました。

庶民の食卓はどうなっていたかというと、「五穀豊穣」といわれるように米以外の雑穀で賄われていました。これに魚介類、根菜や豆類などが加わったものです。奈良時代に取り入れた仏教により肉食が極端に抑えられたことはよく知られていますが、日本の気候風土に牧畜が適さなかったことも挙げられます。

大正年間になると農業技術の進歩にともない、ようやく庶民の口にもお米が入るようになります。昭和初期には年に1人140kgの米を食べ、1日のカロリーの7割を米から摂取。しかし第2次世界大戦から戦後にかけて米の摂取量は減りつづけ、今ではピーク時の1/2以下。

私たち日本人の過去50年間の食生活の変化は健康面に大きな影響を及ぼしています。感染症への抵抗力が増したり、体格が向上したりといい面がある一方、いわゆる成人病という厄介なものも背負い込んでしまいました。
(次回に続きます)
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