インタビュー

次代を担う農業者vol.3

次代を担う農業者へインタビューvol.3 水稲を栽培している半谷啓徳さん(双葉郡浪江町)

営農再開の手助けをするため農家の道へ

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 双葉郡浪江町で水稲を栽培している半谷さんは元々郡山市内の会社に勤めていましたが、東日本大震災の避難指示によって荒れてしまった故郷の農地を見て「元の自然豊かな田園風景に戻したい」と思うようになったことと、半谷さんのお父さんの営農再開をきっかけに、自分も就農することを決意しました。2015年から農業研修を行い、2019年に就農しました。現在は、いわき市に住みながら、浪江町酒田地区で水稲を栽培しています。
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 営農再開した当初は、除染作業で表土を剥ぎ取り、山砂を入れていた影響で、元通りの状態というわけにはいかず、地力も弱まっており、収量も安定せず苦労したそうです。また、イノシシによる被害もあり、電気柵を設置するなどして、対策を講じてきました。
 今では、浪江町教育委員会が主催している「子ども週末チャレンジ」では、半谷さんの田んぼを貸して、小学生が田植え体験などを行っているそうです。

これからの展望

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「震災前の風景を取り戻していきたい」

 現在、浪江町酒田地区の9.3ヘクタールの農地で5種類の米を栽培しています。そのうち5ヘクタールは酒造用米として栽培され、同町の鈴木酒造店で日本酒に醸造され、浪江町産米を使用した「錨揚げ 生酒」「ランドマーク」として販売されています。
 半谷さんは「これからさらに作付け面積を広げていき、震災前の風景を取り戻していきたい。これからも同地区の仲間と協力して地域の営農を復興させ、地域を盛り上げていきたい」と話してくれました。
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道の駅なみえ地場産品販売施設にて鈴木酒造店の商品が販売されています。
企画部・人見 企画部・人見

JA福島さくら本店・企画部企画課の人見です。 みなさまの生活に役立つ情報をお届けしてまいります!