インタビュー

次代を担う農業者vol.27

次代を担う農業者vok.27今回は双葉郡浪江町でタマネギを栽培している川島優(かわしま あつし)さんにお話を聞きました。

🌸この記事は、広報誌「さくら」8月号にも掲載しています🌸

 双葉郡浪江町でタマネギを栽培している川島優さんは、2019年にタマネギの栽培をはじめ今年で4年目になります。

 震災前から川島さん宅では兼業農家として稲作を中心に行っていましたが、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で長期の避難生活を余儀なくされ、農業ができない状況でした。その後避難指示が解除され、浪江町の自宅に戻れるようになりましたが、震災後は元々田んぼだった土地に水を引けなくなり、田んぼとして使うことができなくなりました。そんな時、同町でタマネギ栽培指導会をやっているのを知り、田んぼを畑地化してタマネギの栽培をはじめました。現在は、住まいのある宮城県仙台市と浪江町を行き来し、ソフトウェアの会社を経営しながら、息子さんと2人で農業をしています。
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 元々田んぼとして使っていた土地を新たに畑として使いはじめた川島さん。10年以上手入れされていない耕作放棄地だったこともあり、雑草が生い茂っているところからのスタートでした。雑草の除去からはじまり、手付かずの農地は栄養が枯れていたため、土づくりに苦労したそうです。今でも同町で新しくほ場を借りると、一から整備しないといけないので大変だと話します。

 川島さんは「作物は1年に1回しか作付けできません。去年から直播での栽培も導入していますが、失敗もあり、毎年試行錯誤しています。4年目になり、徐々に成果が出てきているかなと思えるようになったことが、農業をやっていて良かったところです」と話してくれました。

 川島さん親子が作るタマネギは、当JAに全量出荷されています。
 福島県浜通りオリジナル品種「浜の輝き」について、川島さんは「初めて食べた時に甘みが強くてインパクトがありました。特にカレーに入れると甘くなりすぎてしまうぐらいなので他のタマネギとの違いがよく分かります」と話します。
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 「まだ4回しか作付けしたことがなく、タマネギ栽培のノウハウがないため、JAの営農指導員に聞きながら教えに忠実に栽培することがこだわり」と話す川島さん。
時間があるときには、映画やコンサートのDVDを鑑賞しているそうです。

 これからの目標について、「息子と一緒にやっていることもあり、農業で生活できるような『持続可能な農業』を目指していきたいです。今は農地の確保が1番の課題ですが、安定的な収入を上げるためにも今後は最低でも5ha~6ha、できれば10haほど栽培面積を拡大していければと考えています」と話してくれました。
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企画部・人見 企画部・人見

JA福島さくら本店・企画部企画課の人見です。 みなさまの生活に役立つ情報をお届けしてまいります!