インタビュー

次代を担う農業者vol.15

次代を担う農業者vol.15 今回は、双葉郡浪江町で水稲を栽培している前田一石(まえだ かずいし)さんを取材しました。 🌸この記事は、広報誌「さくら」8月号にも掲載しています。

🌸4代目として米農家の道へ

 前田さんはご両親が米の栽培をしていたことから、農業高校後に就農し、現在は米農家の4代目として浪江町北棚塩地区でコシヒカリ、天のつぶ、ふくひびき、たちあやかの4品種を主食用や飼料用として栽培しています。東日本大震災以前は黒毛和牛も飼育していました。
 農業は外での仕事が多く、前田さんにとっては太陽を浴びながら仕事をする環境はストレスフリーで、自分の合っていると話してくれました。
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🌸農業へのこだわり

 前田さんの栽培するうえでのこだわりは、コシヒカリ以外の品種が直播栽培であること。労働力不足によりワンオペで春先を迎えていた前田さんは、直播栽培にすることで春の集中作業を分散することができ、作業軽減になっていると話しました。また、水利の確保にもつながっているそうです。
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🌸農業で苦労したこと

ー避難後も故郷での営農再開を目指してー

 45歳の時に、当時行っていた和牛の規模を拡大しようとしていた矢先、東日本大震災による原発事故が発生しました。
 前田さんは様々な避難先を転々とし、一度は避難先の千葉県で営農を再開することも考えたそうです。しかし、両親の故郷への思いに触れ、浪江町での営農再開を決めました。
 前田さんは避難指示が解除されたことを受け、ふるさとの浪江町で営農再開を目指す20数名の仲間と共に北棚塩復興組合を立ち上げ、保全管理組合の代表となりました。
 復興組合では、農地を荒らさないよう整備し、水利確保できる範囲で水稲の試験栽培や実証栽培を行いました。この保全管理は、避難先だった南相馬市で保全管理組合に参加し活動を行ってきた経験が生きています。組合を立ち上げ保全活動を行ってきたことで栽培環境が整備され、現在浪江町で最も営農再開が進んでいる地域になっているのではないかと話しています。
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🌸これからの展望

 水稲については、昨年就農した息子さんと合わせて20ヘクタールまで規模の拡大を目指します。畑に関してはまだ耕作放棄地が多くみられるため、この地域の環境に適した農作物を見出し、作物を栽培し遊休地を減らしていきたいと話します。
 また、息子さんについて、「震災を含め、現在農業を取り巻く情勢は自分が就農したときより厳しいものになっているが農業をやるのは本人次第。まだまだ経験不足だが、自分も完璧ではない。一緒に協力してやっていく」と話してくれました。
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企画部・人見 企画部・人見

JA福島さくら本店・企画部企画課の人見です。 みなさまの生活に役立つ情報をお届けしてまいります!