インタビュー

次代を担う農業者vol.18

次代を担う農業者vol.18 今回は、いわき市山田町でトルコギキョウなどを栽培している大河内ひとみ(おおこうちひとみ)さんにお話を聞きました。

🌸この記事は、広報誌「さくら」11月号にも掲載しています🌸

 いわき市山田町でトルコギキョウを中心に栽培している大河内ひとみさんは、16年前にひまわりを植えたことをきっかけに花卉栽培を本格的にスタートしました。
 外に出なくても収入を得る方法はないかと探していた時に目についたのが、勿来支店の隣にあったJA直売所。嫁ぎ先が農業をやっていて家の周りに農地やハウスが残っていたこともあり、続けていけば収入に繋がるかもしれないとはじめました。
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🌸就農のきっかけ

 カタログを見て「綺麗な花だな」と思ったのをきっかけに始めたトルコギキョウの栽培ですが、農業の経験はなく、何もかもがはじめてだった大河内さんは「独学でここまでくるのは絶対に無理だった」と話します。
 最初の頃は分からないことだらけで失敗ばかりでしたが、JAの営農指導員や県の普及所職員との繋がりができ、徐々に形になっていったそうです。
 そうして育ったトルコギキョウを直売所に出すようになると、それを見た人から「トルコギキョウを栽培してみたい」と大河内さんに問い合わせがくるようになりました。経験者として、想像よりも栽培
が難しいことを知っていた大河内さんは、県の普及所に相談し、ほ場を提供してそこでワークショップを開催するようになりました。
 2022年2月には「勿来ユーストマ※研究会」を設立。現在、7名の農家が活動しており、大河内さんは会長を務めています。

※トルコギキョウの学名
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🌸農業へのこだわり

 現在大河内さんが栽培しているトルコギキョウなどは、いわき統括センター管内のJA直売所4店舗などで販売しているほか、生花市場にも出荷しているそうです。市場に出荷する際には、花3輪、つぼみ3個の形、茎の太さにも規格があり、理想の形にするため手入れは欠かせません。

 『商品じゃなくて製品としてつくる』をこだわりにしている大河内さんは、自分が満足するものではなく、プロの目から見て良いものだと認めてもらえるものを栽培することを心がけています。
「直売所で販売をはじめた時よりも生産者が増え、直売所に出しただけでは売り切れなくなっている。今後も生産者が増えていくことを考えると、販路を広げるためにも『製品』として市場やお客様に求められているものは何なのか考えて栽培しています」と話してくれました。
 5.6年前から県の実証実験にも参加し、勉強しているそうです。
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県の実証試験で育てているものにはリボンがついています

 着物を作って着付けをすることもできる大河内さんは、成人式になると振袖の着付けの手伝いをしています。「若い子たちが頭につける花を観察して、ポンポンギクも使えるんだなと。そこから興味が湧いて、今年試しに栽培をはじめました」と色々な場所で花栽培へのヒントを見つけています。
 これからの夢や目標については「栽培する花の種類を増やしつつ、栽培面積を維持できるように頑張っていきたい。そして、今まで築き上げてきた花の栽培を、次世代に繋いでいくために、地域の中から後継者が現れてくれるのが夢です」と話してくれました。
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企画部・人見 企画部・人見

JA福島さくら本店・企画部企画課の人見です。 みなさまの生活に役立つ情報をお届けしてまいります!