インタビュー

次代を担う農業者vol.6

次代を担う農業者へインタビューvol.6 梨と水稲を栽培している長谷川順一さん(いわき市小川町)

✿80年以上続く梨園を継ぐために

 長谷川順一さんはいわき市内で自動車関連の会社に勤めていましたが、「お客様から美味しいと言ってもらえる梨園を終わらせるわけにはいかない」と、2021年3月から父親である章さんが営むいわき市小川町の梨園の後継者として農業の道へと進みました。
 梨園は章さんの父親の代からはじまり、順一さんで3代目となり、80年以上続く歴史ある梨園です。現在は、順一さんとご両親の3人で梨園を管理しています。
 お休みの日になると、ご友人、そして奥様やお子さんと一緒に趣味のゴルフやテニスを楽しむそうです。また、ご両親ととても仲が良く、梨栽培の師匠である父の章さんから梨栽培の技法を習得するため、日夜勉強に励んでいます。
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✿梨づくりの難しさ

「今までとは違うやり方だからこそ、経験を積んで学ぶことが大事になってくる」

  サラリーマン時代にも、収穫時期になると梨園を手伝っていた順一さんですが、実際に就農してみると学ぶことばかりで、苦労することも多いとのことでした。
 特に、梨の整枝剪定には苦労したそうです。現在長谷川さん親子の梨園は、県で指導されている基準化剪定に沿って行っています。長年梨を栽培している章さんは「初代の頃に行われてきた剪定方法と今では全くやり方が違う。教えてもらうよりも、経験を積んで学んでいくことが大事だと思う」と話しました。
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✿いわき梨の特徴

 基準化剪定方法に沿って栽培している梨は、以前と違い粒が揃い大きいのが特徴です。幸水、豊水、あきづき、涼豊、新高の5種類を梨園では栽培していますが、今年はじめてファーマーズマーケットいがっぺに出荷した「あきづき」は来店者からの評価が高く、売れ行きも良かったそうです。
 「直売所では、生産者の名前を見て選んで買ってくれる人がいるのが嬉しいです。今年に引き続き来年もうちの梨が美味しいからと買ってくれる人がいるかどうか今から楽しみにしています」と順一さんは話しました。
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 また、「あきづき」はまさに次代を担う梨なのではないかと順一さんは期待しています。梨園でも、今後主力の品種にしていきたいと考えているそうです。
 丁寧にしっかり管理して栽培している梨は、大きいだけではなくみずみずしく食感の良い梨に仕上がっています。長谷川さんの梨園で直売を行っているほか、当JAの農産物直売所「ファーマーズマーケットいがっぺ」やいわき市場へ出荷を行っています。

✿これからの展望

「今まで以上に美味しい梨を作り消費者の方に喜んでもらいたい」

 最近では、「ジョイント栽培」という栽培法が普及し始め、長谷川さん親子も指導会に参加して勉強しているそうです。順一さんは「これからの夢としては、新しく農地を作り、そこでジョイント栽培を取り入れた梨を作ってみたいです。今取り入れているやり方とどう違うのか、どちらがいいのかを両親と協力して考え、今まで以上に美味しい梨を作り消費者の方々に喜んでほしいです」と、梨づくりへの情熱を話してくれました。
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企画部・人見 企画部・人見

JA福島さくら本店・企画部企画課の人見です。 みなさまの生活に役立つ情報をお届けしてまいります!