特集

食養生コラム 第1回

お口とからだ、イキイキと! きらら歯科の外島先生が連載する、食養生コラム。

コラム連載にあたって

毎日の食事は楽しみなものです。

家族で囲む食卓や、お友達とワイワイにぎやかに食べることは、健康の土台作りです。食事や生活のしかたについて、最近いろいろなことがわかってきました。食べることは、栄養補給のためだけにあるのではなく、からだにとっても心にとっても、楽しく充実した毎日を送るために大切なことです。
お口の働きについてもいろいろなことがわかってきました。食べ物をかみ砕くだけの働きではなく、全身の健康に関係しています。

このコラムでは、
1 食べ物のこと、2 お口のはたらき、3 からだのしくみの3つのことをお伝えしていきたいと思います。

今回はまず 、1 食べ物のこと を取り上げたいと思います。

食べ物のこと

毎日繰り返される食事。
そんな食事の中で、子供の頃食べた美味しいものはいつまでも忘れられません。   
私たちの両親、祖父母にも、思いで深い食べ物があるはずです。記憶に残る食べ物は、昭和の初めまでは何百年もほぼ同じものでした。「和食」といわれるものです。江戸時代の食文化は私たちの財産です。

大きく時代をさかのぼってみましょう。
人類の誕生は千数百万年前。ご先祖さまは森の中で木の実や果物を食べて生活していました。300万年前から始まった氷河期は、人類の食生活を変えてしまいました。寒冷のため食べる植物が育ちません。
代わりに食べだしたのが、動物や魚介類。木の実や果物を食べていたころは、糖質の摂取が多かったのですが、氷河期が始まると動物性の低糖質・高蛋白食に変化していきます。
この食形態は農耕が始まる1万2000年前まで続きます。この200万年以上の歴史が私たち人類の体を作ってきました。歯の形や胃腸の形、食べ物を分解する酵素などは、この食形態が基本となってでき上がってきました。 

(次回に続きます)