食養生コラム 第4回

お口とからだ、イキイキと! きらら歯科の外島先生が連載する、食養生コラム。

目次

食べ物のこと -その2-

前回、農耕が始まる前の肉食のことをお話しました。私たちの体は長い間、高蛋白食に馴染んできました。農耕が始まると再び穀物を中心とした「高糖質・低蛋白食」に戻ります。

1万2000年前にメソポタミア(現在のイラク)で始まった農耕はあっという間にエジプトにも伝播しました。ナイルの肥沃な大地を持っていたエジプトでは、人々はパンを主食にし、麦から作ったビールを飲んでいました。ファラオ(エジプトの王様)はもっと贅沢。地中海沿岸から取り寄せたワインを味わうことはこの上ない喜びでした。

肉食に慣れていた人類のアキレス腱は、糖尿病です。200万年にわたり血糖値を下げる「インスリン」を必要としなかったのですから、糖質をたくさん摂るといっぺんに病気になってしまいます。

現代人はこのアキレス腱を克服すべく、体を順応させ始めてやっと1万年ほどが経ったところです。