インタビュー

次代を担う農業者vol.10

次代を担う農業者へインタビューvol.10

今回は、 いわき市岩間地区で、ネギとじゃがいもを栽培している渡邊哲也(わたなべ てつや)さんを取材しました。

この記事は、広報誌「さくら」3月号にも掲載しています。

 渡邊哲也さんは「有限会社ベストクリーン」の代表を務め、店舗や住宅などの清掃業を営みながら、いわき市岩間地区でネギを中心に栽培しています。
 元々は清掃業一本で経営をしていた会社ですが、岩間地区で遊休農地が増えてきている現状があり畑を引き受けたこと、従業員の雇用確保のために2010年から農業をはじめました。
 始めた当初は約30アールの畑でしたが、真面目に栽培する渡邊さんの姿を見て「うちの畑も使ってほしい」と次々に声がかかり、現在では2ヘクタールの畑で父と妻、従業員2名の5名体制で栽培を行っています。
via

🌸農業経験0からのスタート

「農業をやるとは自分でも思いませんでした」

と話す渡邊さん。
 周りの人に教えてもらいながら見よう見まねで始め、3~4年は思うようにいかず苦労したそうです。
 「自然を相手にしているので、天気に左右されたり毎年同じように栽培しても出来が違ったりと大変ですが、自然の中で働けることで充実感を感じます。また、生活の中でなくてはならない『食』に関わり、地域の人が喜んでいるのを見ると農業をやっていて良かったと思います。」と語ってくださいました。
via

🌸栽培へのこだわり

 渡邊さんの栽培のこだわりは、栽培から収穫まで効率的に行うこと。作業スケジュールをしっかりと立てて計画的に行うことや、収穫・根切り・葉切り・皮むき機など工程ごとに機械を導入することで作業が効率的に進み、出荷量も増加させることができます。
 また、ネギも春ネギ・夏ネギ・秋冬ネギと種類別に栽培することで年間を通して出荷できるような体制をつくっています。
via

via

皮むき機で一本一本皮をむいていきます

 選別機にかけられ、サイズ毎に選別されたネギは、当JAに出荷されます。
 また、規格外品は作業場の脇に設置した無人販売所で購入することができます。
 近所の人だけではなく、遠くから車で買いにくる人もいるほど好評な無人販売所では、一束100円で売られているほか、ネギ以外の旬の野菜などが並んでいることもあります。
 この販売のおかげで、規格外品として処分してしまうものはほぼゼロとなり、食品ロスの解消にも繋がっているそうです。
via

綺麗になったネギはその後出荷されていきます

via

作業場脇に設置された無人販売所

🌸これからの展望

 渡邊さんは「岩間地区では高齢化や後継者不足が進み、遊休農地が増えています。景観維持や地域雇用の確保のため、栽培面積を増やして遊休農地の解消に努め、地域貢献できればと思います。今後はネギの収穫期の合間にできるような作物として、ピーマンの作付けにも挑戦してみたいです」と今後の目標について話してくれました。
via

作業をする渡邊さん

「美味しいいわきネギをぜひ食べてみてください」と笑顔で話してくださいました。
企画部・人見 企画部・人見

JA福島さくら本店・企画部企画課の人見です。 みなさまの生活に役立つ情報をお届けしてまいります!