インタビュー

次代を担う農業者vol.4

次代を担う農業者へインタビューvol.4 ネギと水稲を栽培している中田幸治さん(郡山市富久山町)

父の病気をきっかけに農業の道へ

 30歳の頃、郡山市で農業を営んでいた父の病気をきっかけに、仙台市で勤めていた会社を辞め、地元へ戻り、家業である農業を継いだ中田幸治さん。32歳の頃から本格的に農業に取り組み、就農を開始しました。
 以前は約200種類の直売用野菜の栽培に取り組んでいましたが、震災をきっかけにネギやお米に作物を転換。ネギの契約栽培は元々行っていましたが、震災をきっかけに増やすようになりました。
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 この頃から販売の勉強もしており、マーケットインへ発想を転換させ、市場や購買者などの買い手の立場に立ち、作りたい作物よりも売れる作物(相手の求める野菜)を作付けするスタイルに切り替えていきました。
 従業員は現在役職員2名、正社員3名、障がい者雇用も含めたパート30名の体制となっています。

農産物の主な販路

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 契約栽培先は主に関東方面。震災当時は福島県での販売が難しかったため、中田さんが週に3~4回東京へ営業に行き、仲卸しや惣菜への加工用を中心に取引先を増やしていきました。
 その他にもJA経由で市場出しも行っています。また、郡山市内の仲卸業者を窓口として、市内の飲食店でも中田さんの野菜が扱われています。

農業へのこだわり

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「誰にでもできる農業の仕組みを作っていきたい」

 ひとことで言うと「正しく作ること」がこだわりです。常に科学的根拠に基づけられたもの(肥料等)を正しく使うことを心掛けています。
 農業は研究職のようなところもあると思っていて、仮説・検証を何回も試して、適正な栽培方法の確立に努めています。今後は、その中から「誰にでもできる農業」の仕組みを作っていきたいと考えています。
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 現在は、循環型農業にもこだわっており、水稲栽培で出るもみ殻を畜産農家に持って行って、牛の排泄物と蹄で一回砕かれたものが混ざり合わさり、熟成したものを肥料として畑に播くことで、肥沃な土壌が作られていきます。
 もみ殻を使う理由は、置き場所を確保することができないため、もみ殻が出た秋のうちに処分したいというのも理由のひとつです。

☆自然循環型農業とは☆

 化学肥料や農薬に頼らず、自然の資源の循環によって畜産や農業を行う取り組みを「循環型農業」と呼びます。
 なかた農園では、農業物を収穫した後のもみ殻などを家畜の敷料とし、その家畜のふんや敷料が混ざったものから堆肥が作られ、その堆肥でまた農作物が育つという、有機資源の循環による農業体系に取り組んでいます。
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これからの展望

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 自身の農園のこれからについて、中田さんは「年間を通して農産物を出荷できる体制づくりをして、雇用が安定する仕組みをつくっていきたい。現在農福連携にも取り組んでおり、市内複数の福祉事業所と連携しながら作業にあたってもらっています」と語ってくださいました。
企画部・人見 企画部・人見

JA福島さくら本店・企画部企画課の人見です。 みなさまの生活に役立つ情報をお届けしてまいります!